2021年08月17日
アートの〝筋書き〟 ~権力と予知・その時空間のライン~ 新たな考察
運命は、決まっているのでしょうか?
予知能力というものが、ひとたび、あると 断定されると、今後の出来事のすべては、誰かが知っている、あるいは、誰かに仕組まれている ように 感じ、リベラルの世界で獲得した自由が、滑り落ちていくような恐怖を感じる、というのは、ちょっと 笑えません。
ポイントは、リベラル(5)よりも、第3層の予知(9)の方が、より、インテグラルである、ということです。
つまり、リベラル世界で獲得した自由が、保存されずに 破壊される、ということは、ないはずなのです。
(各ラインの、基本構造と移行構造の性質によって、保存されて包括されるか、否定されて包括されるかは、違いますが、いずれも、越えて含む点は 同じです。 ―― 例えば、モラル(4)の順応性は、モラル(5)では、無くなります。 しかし、モラル(3)は モラル(4)の順応性に寛容[意識的・理解的]であることはあり得ませんが、モラル(5)では 可能です。 これは、モラルのラインの慣習(4)が、部分性は否定されるも、全体性として包括されているからですね。)
前回も挙げました、ケン・ウィルバー「インテグラル理論を体感する ~統合的成長のためのマインドフルネス論~」。 その中の〝ショーイング・アップ〟の章の中に、私の[I][We]、そして、相手の[I][We]、を 感じるという視点 が出てきます。
この実践の特徴は、相手の[I]を感じるのが、とても 難しいのではないか? ということです。
私が思うに、友達Aにも、友達Bにも、同じように、わたし[I]のことが、見えているのでしょうか?
あの悩みや、この悩み、すべて、わたし[I]が感じているように、見えることができるのでしょうか?
[I][We]の4点視点に関して、わたし[I]が、相手[I]を正確に理解していかないと、相手と良好な関係を築くことは、難しいといいます。
特に、遠方の相手に言えますが、一体どうやって、相手の[I]を、知るのでしょうか?
この点を、前回も挙げた、2種類の予知で、考察してみると、今まで想像だにしなかった領域が、開けてくると思いますよ。
アーティスト(L/9, t/m, l/時空間) の[I] が、アーティスト(L/9, t/f, l/時空間) の[I] を感じるとは、一体 どういうことなのでしょうか?
それは、おそらく、〝推測する〟ということです。
ここで、予知(9)という現象の、知られざる性質を、ほどきましょう。
たぶん、未来とは、〝共創造されるのです〟
つまり、相手の影響を、積極的に受諾する、といいますか、相手の筋書きに、乗るのです。
例えば、無意識に。
初めから、別れる運命だった、という筋書きを持っているカップル(アーティスト)が いたとしましょう。
最終的に、アーティスト(L/9, t/m, l/時空間) の[I] が、アーティスト(L/9, t/f, l/時空間) の[I] に対して、〝合意〟させた と、解釈される現象が、生じると思います。
このとき、別れる運命に対しては、まだ、両者、自由には なっていません。
ちなみに、ここでの〝別れる運命〟とは、〝所与の解釈〟です。
たぶん、他にいくらでも、より包括的な文脈があります。
しかし、運命は、〝別れる方向〟に、引っ張られます。
そういう〝共時性〟や〝シーン〟を〝固定〟していくからです。
そして、2人は言います。
これが起こることは、決まっていたんだ。
なんか、ちょっと、へんですね。
ここで、〝権力〟を加えてみましょう。
[なお、t/m、t/f は、この議論の文脈上、生物学的性別でも ジェンダーでもない、エイジェンシーとコミュニオンの志向を 現しているタイプです。]
有名サイドのアーティスト(L/9, t/m, l/時空間) の[I] は、スポンサーなどに依存しており、予知を〝書き加える〟という行動を、無意識的に行うことが有り得ると、私は、思います。
ポストモダンの発見した、〝生活世界の植民地化〟の〝権力衝動の隠蔽〟です。
例えば、非視点的な狂気 (把握できるすべての視点を 平等に低く 狭い価値の範囲に追いやる、という視点) は、おいしいものを食べたいという欲求を 周縁化しません。
(グルメに対する権力が 隠れて働いているわけです。)
予知に対しても、権力と結びついている限りは、隠れた認識が 働いていると思われ、また、
非権力者[I]に対する 共感力は、弱まると思います。
かつて無名だった者の中に、〝筋書きに動かされた〟ことで〝手遅れ〟となる 何か被害を被って、〝全てを恨む〟というパターンも、わりとありそうです。
そういった者は、世の中すべてが 権力の筋書きであるという 衝動に駆られて、有名になって〝復讐〟しようとしますが、まずもって、AQALを 時空間予知 それぞれのレベルに 適用することを、怠っているか、それに失敗していることが、原因です。
では、〝(所与の) 被害を被らない〟〝筋書きに動かされない〟ためには、何をすればいいのでしょうか?
少なくとも、権力に対して、無防備ではいけない、という点には、合意できるのではないでしょうか?
アーティスト(L/9, t/m, l/時空間) の[I] は、権力を持って有名になっている場合、シーンの予知に対して、筋書きを加えます。 (どんな場合でも とは言いません。 立場の話でもあります。 詳しくは複雑な問題なので、割愛します。)
それは、平均的なスポンサーに有利な〝アートでお金を稼ぐこと〟を助力する内容であるかもしれません。
さすれば、無名なアーティスト(L/9, t/f, l/時空間) の[I] は、上記の選ばれた者に とてつもなく有利な〝土俵〟を 納得させられ、才能を〝条件〟に従って、捧げることを強いられるのでしょう。
有名な彼らは、予知の筋書きで、〝みんな平等である(9)〟ことを納得させようとしますが、実際は、〝有名となる運命の筋書きに合致した〟という〝生活世界の植民地化〟を伴った 隠れた権力衝動に基づいているものでしかないかもしれません。
それはつまり、インディゴ(9)のアーティストの活躍できる場が、信じられないほど少ない、社会の権力的な歪みかもしれません。
だからといって、その反動、アートで 世界全てを ぶっ潰してやろう、というのも、ズレすぎです。
よって、無名サイドのアーティスト(L/9, t/f, l/時空間) の[I] が、権力の暴力に負けないために、必要な実践の例として…
無名のままでは、売れないミュージシャンの生活の悪化、フリーランスのアニメーターの健康の危機・・・。 これを〝変われない〟という筋書きで言われた時に、〝受け入れる〟と 返答 (=その指示には合意しない、の返答を) するのが、一番です。
どうせ、その苦しみ[I] を 正確に理解できるのは、まずもって、該当者です。
権力者に共感されるマネをされても、分かってもらえていない… としか思えません。
現に、無名サイド(フリーランスなど) を救済する法律 等を、有名サイドの権力者が 積極的に組み込もうと運動していることは ほとんど無いでしょう。
それが彼らにとって 必須に思えないからです。 (多少のカテゴリーエラーがあっても、です。)
いうなれば、相手の[I] を理解するのは、とてつもなく大変であるということです。
権力の犠牲者と思えるための怒りのようなものを〝けす〟という筋書きに対しては、〝考える〟と返答します。
〝行き止まりの現状・閉じこもりのみじめさ〟には、〝すじがきのない 軽さの直観の極み〟とします。
わたしは、これらは、有名サイドが平均的に捉えているような〝大人慣れして利口に生きる〟程度のことではないと思います。
未来のアーティストなら、権力に依存しないのは、当然のことなので、その直観であるとは、主張したいです。
後は、どうすれば、もっと、権力者に、〝筋書きを解除させるような〟影響力を与えるか、という話です。
有名サイドは、単に、スポンサーが嫌がることに、同調する傾向があるだけではないのか? と思いました。
いざとなったら、権力で、無名サイドに対して、予知で6割協力しているように筋書きを立てて、実際的にコントロールしようとするのは、現状としては、よく分かりませんか?
予知の筋書きですら、隠れた権力衝動、生活世界の植民地化に、動かされているのだとしますと、無名サイドは、相当、慎重になるべきだ、と、思います。
ここで、ひとつだけ、無名サイドが、素早く認識してほしいと思うのが、〝今、芸術家らしく、権力から自由、究極のメリットだ〟という点です。
これができない、有名サイドは 第3層に至っても、芸術家として 真の自由を 勝ち取ってはいません。
(そんなアートの中身は、いつも、無名サイドのハート【相手の[I] 】です。)
サード・ティアーの、そして、アーティストとしての、〝強さとは〟一体 何なのでしょうか?
権力(ビジョン)からの自由。
それもあるでしょう。
筋書きと言われる、その権限も、〝協力〟によって、ゴールへと紡いでいけば、とても良いものになるでしょう。
ホラーキーとしての権限として導けば。
予知の、今回の結論としてのヒミツは…。
あなた[I]の、ある運命を語るアート[I]と、出会ったことで、あなた自身が、その〝筋書き〟に影響を受け続けている、ということです。
(予知占いと同じく、出会った そのアートによって、あなたの未来は、あなたの立場の変化を含めて 具体的に解釈され続けます。)
もし、その予知が、〝絶対に外れないもの[I]〟だとしたら、あなたが それに出会っていなかったとき、にこそ、有効であったはず。
なのに、出会ってしまっているのに、絶対に外れないのなら、あなたを含んだ筋書きとして、そう主張されていることになります。
それは、むしろ、相手の筋書きの予知[I]に、あなたの方が 加担し 受け入れ 叶えている、とすら言え、むしろ、そうとしか考えられない と結論するかもしれません。
要は、あなたが出会うから、その予知は、あなたによって、現実となるのです。
当たった場合は、ですが。
私の考えですが、有名サイドの予知は、いくらかの選択肢の中で、対象者が選びそうなルートを強調して、そちらに引き入れようとしています。
それに、しっかりと、気付くのです。
さすれば・・・
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流れゆく その・・・。 運命は、〝空〟です。
何者にも、縛られることは、ないでしょう。
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結論。
つまり、予知が問題なのではなくて、理解が重要である、のです。
特に、幸せの理解、相手[I]への共感の視点 を、自分の納得のできる方法で、進めていく、ということです。
そして、無名サイドは、伝える努力を惜しんではならない時代 だと、あらためて思いました。
壁は、経済事情 (と 芸術との関係の 危機感) だと思います。
posted by インテグラルとど at 07:47| 実用的生活実践
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