2017年09月02日

環境が実践を導く!? ~フロム「聴くということ」と 私 ⑪~

前回の〝器質・環境・実践〟は

困難で安定しない先天的な〝器質=体質〟の持ち主でも、〝環境が良ければ より良くいられる〟可能性が高いことを示しています。

それが、成長への種々実践活動(なりたい「夢」)を適切に加速させていく 重要な要因ともなりましょう。


フロムは言います。

「神経症になりやすい体質―(であっても)―理想的な家庭環境だったら―病気にならなかったかもしれない」 ――P40――( )内は筆者


種々環境(行きすぎた消費主義を助長しない社会・世界空間 etc.)が適切に整うことで、実践ができるスタートラインに立つことにて、〝初めて すべての先天的器質体質は正確に(広義的な意味で平等に)理解・把握・研究される

という点に注目することには、大変意義があります


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2017年09月06日

器質的要因は意外と少ない ~フロム「聴くということ」と 私 ⑫~

フロムが紹介しているフロイト理論の中で

体質(器質・遺伝)的要因 と 環境的要因は、連続している――比重がケースごとに異なっている」 (p97)

という視点を、セラピーそして日常的な実践に結び付けていくのは〝すてき〟です(≧▽≦)


同じような問題が表面化している場合でも、〝器質的なわずかの差(顔が覚えられないなど)から環境的な問題(トラウマ)が生じて現在までの成長が歪んだ〟という風に

器質的だと思い込んでいる大部分は環境的・後天的要因で 脳構造の変容(より自然な成長)(さほど)伴わなくとも ざっくりと統合できる

そういう経験にて〝より素早く変えられる〟成長に感受性が高まるのです。(即実践して活かせる)


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2017年09月10日

〝立派な〟=〝深いハートから(の)〟 ~フロム「聴くということ」と 私 ⑬~

率直に読み進めると、よくわからない箇所がありました。


何者にもならないようだったら、立派な犯罪者になったほうがまし」 (P126)


現在の〝過激で非視点的な狂気を有する(マヒした)表現描写〟の風潮(情報社会で加速した フロムが想定しきれなかった近況)から、このフレーズは〝文脈より総合的に解釈〟される必要があり、そうしてみます(・ω・)


要は、上記〝狂った衝動(のようなもの)〟にアクセスできなければ〝生物学的に反応機械のようになる〟のでしょう。 ――私的な経験上は、そう感じます。

そこから、環境を適切に、実践活動を適速に、するまでの間に

〝故意では無く過失で 明らかに良性の方向を目指して歩んでいる最中に〟

誰かを傷つけたような(何らかの事件を起こした)場合は

その人が変わる決意(深度ないしポテンシャル)を持っている=好感が持てる=きっと成功する

となって、流れに乗れると思うのです。


ただし、こういった〝立派な〟犯罪者は、最近の非視点的な狂気に乗った風潮からは〝出てこない〟と思います!!


フロムは〝統合された個人への変容(消費主義などの溺愛から抜け出す強さと実質を持つこと)を強く主張〟〝ヒトラー(等)に対して 種々根拠を伴う 鋭い批判〟(を)していますので、その上で文頭の引用文を解釈するのがベストですね。


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2017年09月14日

器質的遺伝と 内面の科学 ~フロム「聴くということ」と 私 ⑭~

ブーメリティス(私が挙げる一例)でおなじみの問題について

いかなる所与の社会にも固有の構造があり、それを分析することが重要」 (P137)

と、フロムは主張しています♪


〝(左下象限のゾーン4・左上象限のゾーン2 の) [=内面を外側から見た] 構造主義〟と〝(右下象限のゾーン8 の) 社会構造〟について理解を深めて初めて、〝(対象の)社会文化内にて生みやすいパーソナリティタイプ(似たサイコグラフ)〟があることが分かる のです。


フロムは社会心理学者として知られていますが、〝愛する決意が大切〟といった〝内面の成長〟に言及することが多いですので、構造主義(内面の科学)も含んだ主張となります。

フロイトの時代はまだモダン(啓蒙)時代の末期でしたから、ポストモダンに開花した 内面の科学である構造主義がほぼ存在しなかった、ということですね。 (フロムはフロイトが上記を考慮しなかったと言っています。)


ポイントは、所与の(例えば私たちの)社会にて

タイプ[a]の犯罪者が多い→そのほとんどが先天的器質Aの人物だった〟(外面の 行動・機能適合主義[ゾーン6・ゾーン8]への還元)ではなく

先天的器質Aの人物が、犯罪者のサイコグラフの タイプ[a]になりやすい(陥りやすい)社会文化的な性質(ないし歪み・教育の偏りなど)がある〟(内面の科学であるゾーン2とゾーン4を考慮する)

というところです。


そういった文化がより良く進化すれば、多くの器質的なものと思われた〝犯罪〟が消え去るでしょう。

(良性・悪性の フロムの視点を思い出してください。)


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2017年09月17日

二者択一論と慣性系 ~フロム「聴くということ」と 私 ⑮~

フロムは 本書で「二者択一的決定論」(P140・P141)を挙げているのですが

これは〝選べる運命は2つしかない(打開[冒険]を選ぶか 現状維持[場合により崩壊]を選ぶか)〟と言うほどは限定した意味ではありません。 (限定して解釈すべきではないでしょう。)


私は〝(人生の) 慣性系〟と呼んでいるのですが、別の成長特急(の慣性系)への乗り換え

ケン・ウィルバーの哲学的には〝ある階層から脱同一化し、次の階層に同一化する〟ときに〝ある種の強い不安(哲学的な意味での死)を覚える〟衝撃

例えば、周りの流れに従って技術者になろうとした筆者が〝あこがれの人に出会って 広い世界に出ようとして歌手を目指すと決意した〟時と その後の1.2年


こういった〝新たな成長-挑戦〟時に限って、フロムの言う〝二者択一〟はきれいな意味を持ちますが

統合的実践としての水平的な並行(ボディ・マインド・スピリット・シャドー・付属モジュール)とそれに関わる多数の表層構造(ブログ・音楽・節約・運動・・・)の細かい点にまでこういった考え方の意図が及ぶものではない、ということで

〝二者択一 (今) = 次の瞬間の成長(複数あるかもしれないが概ね深い一連の流れ)に乗るかそるか!〟

と理解していただければ宜しいか、と(・∀・)


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2017年09月20日

自然な〝自由〟と フィット感 ~フロム「聴くということ」と 私 ⑯~

フロムは、〝自由〟について ある種独特な論(感性・意見)を展開します。(P147)


自由は〝所有できず〟〝パーソナリティ(自我・主体)の性質〟であり・・・

要は〝深度・レベル(AQAL)=エイジェンシーとコミュニオンの統合度≒所与の外側[の世界]に抵抗できる(人間ホロンの自律性の)度合いの変化と成長〟

という辺りの視点です。


周りの環境、家庭や学校、地域や社会が、あれはダメ これをしなさいとか、そういった主張をして

本人がそれらを受け入れて (適切に成長するためであればいいけれど、そうでないような排他構造の場合に)

自由を売り渡すように 自然で適切な本人らしさが減ってしまうと

今後の成長が阻害される (いいなりの人間となる) ――


私的には〝健全性・バランス≒ポテンシャル〟の (広義の合理的・理性的サポート・営みの)〝分離・乖離 (破たん)〟と言えばいいのかなと思います。


ある器質の人は特に、より本人に合った教育の方法、適した営み、本人への総合的な正しい理解、などデリケートな要素が満載でしょう。

これを単純な〝行動・機能適合主義(が主流な社会など)〟に当てはめてしまうと、フロムも言う〝自由(健全さ)の売り渡し〟になるのです。


例えば、一つの国民や、地球人類の、〝共通の脳の器質的構造部分を 仮に器質的障害と見なせば〟

〝全員が 正しく 適した営みとなっているか?〟を問えます。 (人間は人間に[根源的に]合った営みをしているか? ということ)


大多数の(所与の)人々が中心というだけで、彼らに〝合わせた営み〟であるかも疑わしく

フロムは〝大多数の人に合わせた 消費主義が現代人に合っていないところにまで来ている〟と、〝人間の脳・身体・ココロに正しくフィットしていない〟と述べているわけなのです。


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posted by インテグラルとど at 08:27| 実用的生活実践 | 更新情報をチェックする

2017年09月24日

シャドー・モジュールにオススメ ~フロム「聴くということ」と 私 ⑰~

フロムは、6章(P148~)にて

ILP(統合的実践)で言う〝①シャドー・ワーク〟〝②シャドー・ワークを経て 扱える(心的)エネルギーの増大〟〝③種々統合的実践〟――にあたると思われる3つの事柄(領域)が〝セラピー効果を持たらす〟ことを指摘しています。


器質の種類によっては、成長が絡まって〝シャドーが多い〟ことがあるでしょう。

①がうまくいくと、②の扱えるエネルギーがうーんと増加して、より標準的と言われる器質の人々とは違った(もしかしたらびっくりされるような) 種々[良い・深い]変化となってゆくかもしれません。

①がうまくいかない限り、②の状況が想定されない (傾向がより強い)〝所与の社会の所与の器質タイプ〟がいるだろう、という風に言えて

さらに③の統合的実践活動へと、思いもよらないような〝成長〟へ の可能性が ―――


なお、このページに挙げます ③の項は、フロムが挙げる内容ではなく、ILPです。ズレはあるかと思いますが、①と②と共に統合的な実践をする視点をおさえながら、本書の6章を読むと良いでしょう♪

(ほぼ同様の意味として、ILPのシャドー・モジュールに (フロムの) 本書をお勧めします♪)


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posted by インテグラルとど at 07:34| 実用的生活実践 | 更新情報をチェックする

2017年09月28日

インテグラル・セラピーの必要性 ~フロム「聴くということ」と 私 ⑱~

フロムは 精神分析(セラピー)の訓練は〝総合的に〟行うべき だと言います。 (P168)

このあたりが、彼の〝ディープな ポリシー・見解がきっちりと表われている〟点での読みどころです。


少なくとも〝国家が認定する学位(免許)〟の強制空気に流される (そうしないとセラピストになれない――と思い込む ・ 少なくとも そうしていれば立派な精神分析ができると思っている) というようなことでは 断固〝ない〟

そういった意味での いわゆる〝インテグラルな〟工夫と実践を凝らしてこその〝セラピー(経験・技法)〟だということです。


逆に、インテグラルな実践が、このようなフロイトの流れから〝内面→成長→統合〟へと洗練されてきたわけですので、現代のILPカスタマイズが、そのまま各自の〝答え〟になっている と言えるのです!


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posted by インテグラルとど at 06:19| 実用的生活実践 | 更新情報をチェックする